誰もが一度は「仕事がしんどい」「仕事を辞めたい」と思った経験があるのではないでしょうか。

ただ、その考えに対して、どことなく甘えだという風潮があります。

その為、無理して働き続けてしまう人も少なくありません。

毎月100時間以上サービス残業があるだとか、休みが全然ないだとかいう、典型的なブラック企業で働いていれば辞めたいと思うのも仕方ないと思うかもしれません。

しかし、人間関係が上手くいかない、仕事が上手くいかない、といったような理由であると、それは甘えだと考えてしまうことが多いです。

特に社会人3年目以内だと、余計そう思う傾向が強いですね。

ただ、本当に仕事を辞めたいと思うことが甘えなのでしょうか。

日本では、元々終身雇用制度を取り入れている会社が多かったせいか、仕事を辞めて転職することに対してネガティブなイメージを持たれる傾向があります。

どれだけ苦しくても、歯をくいしばって仕事を続けることが正しいという風潮が強く残っているのです。

ただ現在は、転職支援サービスも充実し、転職しやすい状況になってますし、転職する人の割合も非常に多くなっています。

実際、マイナビは発表した「転職動向調査2022年版」によると、2021年の20～50代男女の正社員転職率は過去6年間で最も高く7.0％に増加しています

このように、今や転職するのが当たり前になりつつあるものの、それでも未だに辛くても働き続けるという風潮が残っているのです。

全体的にそういった風潮があったとしても、それが仕事を辞めたいと思う人全員に当てはまるわけではありません。

確かに、単に甘えだという人もいるでしょう。

ただ、仕事を辞めたい理由が抽象的なものであったとしても、そのことで本人がひどく苦しんでいて、なおかつ解決策もないという状態はあります。

人には得意、不得意、好き、嫌いがあります。

周囲から見ればたいした事態ではないと思っても、本人にしたら重要な問題だというケースは多いのです。

苦しみは、その本人にしかわかりません。

ですから、簡単に甘えだと決めつけることはできないのです。

辞めたい気持ちを我慢しながら働いた結果、明るい未来が待っている場合はあります。

しかし、無理して働いた結果、何も得られなかったり、かえって状況が悪くなったりするケースもあるのです。

そこで続いては、辞めたい気持ちを我慢して働くデメリットについて解説します。

辞めたい気持ちを抱えたまま作業を進めると、無意識にパフォーマンスは低下します。

これは当然と言えば当然で、やはり「楽しい」と思いながら仕事をするのと、「辞めたい」「辛い」と思いながら仕事をするのではやる気が変わってきます。

ネガティブな気持ちで働いていると、無意識に早く仕事を終わらせようと手を抜いたり、細部までこだわらなかったりしてしまいます。

辞めたいと思っている時点で、その仕事での成長を諦めている状態になっているので、向上心を持つことは非常に難しいでしょう。

その状態は自分にも会社にもプラスにならず、ただただ貴重な時間が過ぎていくだけです。

前述したように、辞めたい気持ちを我慢して働いているとパフォーマンスは低下します。

そして、やる気がない状態は、意外に周囲も気が付いているものです。

あなたも作業をしている中で、誰か一人でもいい加減に働いていると嫌な気持ちになった経験はありませんか？

基本的にはそれと同じで、やる気のない人がいると周囲は足を引っ張られていると感じ、その人に対してイライラしてしまい人間関係の悪化を招いてしまいます。

当然、職場全体の士気を下げるような社員に対し、上司や会社は悪い印象を抱くので、昇給や昇進ができないといった事態に発展します。

辞めたい気持ちを我慢している時間が長ければ長いほど、転職活動はどんどん不利な状況になっていきます。

なぜなら、転職は若い方が有利だと言われているからです。

若い人材の方であれば、他の会社での癖がついておらず一から育成できますし、しっかり教育すれば年齢が若い分長く働いてくれます。

それに対して年齢が高い人は、他の職場でのやり方が染みついていて、新しい職場に馴染めないと思われてしまいます。

その為、辞めたい気持ちを我慢していると、どんどん年齢が上がり転職が不利になってしまいます。

ただ、年齢が上がってもポテンシャル採用があるので、スキルや実績をアピールできれば転職できる可能性は十分にあります。

転職するのが悪くないと言われても、やはり転職は逃げのように感じる方は多いでしょう。

しかし、前述の通り無理して続けていても、状況は良くなるどころか悪化する可能性だってあるのです。

そこで続いては、仕事を辞めたい気持ちを我慢してしまう際の対処法について解説します。

辞めたいのになかなか退職に踏み切れないのであれば、辞めたいと感じる理由を一度書き出し整理してみてください。

書き出してみると、改めて自分が何にストレスを感じているのかわかり、それに対する解決策も考えることができるでしょう。

解決策があるなら、まずはそれを実践してみれば良いでしょう。

反対に解決策がないとわかれば、辞める決心がつきます。

また、辞めたい理由を書き出せば、退職する際に上司に伝える際や転職活動の面接でも役立ちます。

辞めたい状況を我慢して働いた結果、将来の自分はどうなっているかよく考えてみて下さい。

仕事とは、チャレンジを通してだんだんと成長していくものです。

その為、頑張った先に学びや成長などがあるなら、多少辛くでも続けた方が良いかもしれません。

しかし、無理して続けても身に付くスキルが少なかったり全くなかったりするなら、頑張る必要は無いでしょう。

もしかすると年齢が上がるにつれて裁量要素や責任が増えて、今よりも仕事が難しくなっていく可能性があるので、その点も考慮して現職で働き続ける自分の姿をイメージしてみてください。

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